にゃん吉です。
2023年7月31日放送の『クレイジージャーニー』の回は、立体錯視の研究者で数理工学者の杉原厚吉さんでした。
立体錯視というと難しい言葉になりますけど、いわゆるトリックアートのことです。
目の錯覚によって違ったように見えるというアレです。
冒頭から不思議な世界を見せてもらいました。
夏休みに相応しいテーマかもしれません。
▽目次です▽
杉原厚吉さんは世界で唯一の3次元での立体錯視研究者
錯視といえば有名なところでは、ミュラーリヤー錯視やエッシャーのだまし絵などがあります。
日常生活で役立てているものもありますが、すべて2次元の話。
杉原さんは3次元で起こる錯覚を作りあげてます。
しかも世界でたった一人の研究者でもあるとのこと!
世界でたった一人!?
これはスゴイですし、それが日本人というのも素敵ですよね。
この錯視は数式で作りあげているとのこと。
「計算錯視学」と言うそうです。
番組では錯視界のガリレオと紹介されてました。
しかも「とにかく面白いから研究している。何の役に立つかは関係ない」と言い切ったところもカッコよかったです。
75歳という結構なご高齢ではあるのですが、非常に頭の回転の早そうな先生でした。
東大で教えながら、趣味で錯視の研究をされていたとのこと。
好きこそものの上手なれですね。
現在は明治大学の研究特別教授をされています。
とにかく不思議な世界というのが楽しかった1時間です。
趣味が世界的に認められた
趣味で方程式作りをしていた杉原さんに大きな転機が訪れます。
- 錯視を作り出す1つの方程式には何年もかかる。
- 世界的に認められたのは2010年の「ザ・ベスト・イリュージョン・オブ・ザ・イヤー・コンテスト」⇒錯覚の世界大会
- この時のコンテストでは平面(2次元)の錯覚の作品ばかり⇒唯一の立体(3次元)作品を発表したのが杉原さん。
- 優勝で大きな研究費も貰えた。⇒JST(国立研究開発法人科学技術振興機構)から5年半で約2億円!
- 杉原さん曰く研究者が一人なのは、学生に役立たない研究テーマを与えて研究指導するのは工学部では難しい
- 錯覚は目の前が実際とは違うように見えてしまうことなので、事故の原因になってしまう。
- 杉原さんは若い頃にロボットの目の研究開発に携わる⇒画像から立体を取り出すプログラムを研究⇒出来上がった自分のプログラムに「不可能図形」というだまし絵を見せてみた⇒不可能図形の中には不可能じゃないものがあることを見つけた!
- ありふれた立体も画像を見て脳に浮かべる立体は実物とはちょっと食い違っている。⇒動きを加えるとあり得ないことが起こってしまう。⇒これは脳が最初に思い浮かべた立体が間違っている。
- 画像は奥行きがないのでそこから奥行きを取り出そうとしても、人間の脳は想像で奥行きを思っているだけ。⇒それで間違えてしまう。
- 錯覚は片目で起こる⇒両目があるのが大事という意味でもある。
- テレビカメラは1つのレンズで撮影しているため、片目と同様の効果が出るため、テレビで見ている視聴者も同様の錯覚が起こる。
2次元が当たり前の中、唯一立体作品を発表したのが杉原さんだったわけですけど、それまで3次元に着手した方はおられなかったということも興味深いですよね。
おそらく方程式を1つ作るのに何年もかかるというわけですから、膨大な時間を費やすので容易ではないからでしょうね。
遊べる錯視遊具を作りたい
杉原さんは実際に見て体験する錯視遊具を作りあげてました。
スタジオでの立体ミュージアムは700万円!
◆錯視遊具
- 第1期:変身立体「波と草原」
- 第2期:トポロジー攪乱立体「交差円と中心円」「星のかくれんぼ」
- 第3期:左右反転立体「右を向きたがる矢印」
- 第4期:平行移動立体「どっちに行きたいの?」
- 等身大変身立体「家族4人」
- 無限階段
- 雪の錯覚すべり台
杉原さんの次の目標は参加する人と見る人とどちらも錯覚が起きる物を作りたいとのことでした。
杉原さんのYouTube
こちらでどんな感じの作品かを見てもらえます。
できればTVerで番組を見て欲しいです。
めちゃくちゃ楽しかった!
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